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ブログ

2019.03.03

手縫い針:ネコの誤飲

福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

動物はときに信じられないものを飲み込んでしまうことがあります。

今回のテーマは手縫い針:ネコの誤飲です。

ネコは基本的に異物(食べ物ではないもの)を摂取することはまれです。

このネコは急に食欲がなくなったという主訴で来院しました。

レントゲン検査をしてみると

迫田 針 

口の中に手縫い針。

なぜ、飲み込んだのでしょう?

全身麻酔下ですぐに除去すると

 迫田写真

やっぱり、糸がついてました。。。

ネコは糸などのヒモ状異物は遊びながら誤飲してしまうことがあります!

手縫い針に糸がついていると、遊びながら一緒に飲み込んでしまうことがあるんです!

ネコが急に食欲がなくなったときは、まれですが、異物摂取も疑ってください!

 

2019.02.01

免疫介在性血小板減少症(IMT)

福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは免疫介在性血小板減少症(IMT)です。

血小板とは血液中の細胞で血を止める役割をしています。

免疫介在性血小板減少症とは自分で自分自身の血小板を破壊して、血が止まらない病気です。

症状は皮膚に紫斑(内出血が起きて紫色:青アザ)、点状出血が認められたり、その他、鼻出血や血尿などもあります。

紫斑

写真はお腹に認められた紫斑です。

治療は免疫抑制療法が必要になります。

治療に反応するまで3~10日かかり、死亡率は約30%といわれおり、恐い病気です!

治療は3~6ヶ月以上継続する必要がありますが、一度血小板数が正常にもどれば予後はかなり良好です!!!

IMTの原因の多くは不明なので、再発の危険性はあります。。。

なので、休薬しても定期検診が必要になります。

IMTは急に発症するので、心当たりのない青アザを見つけたときは獣医さんに相談しましょう。

日頃からお腹を触りながら、皮膚チェックしましょうね☆

2018.12.10

釣り針:誤飲

福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

動物はときに信じられないものを飲み込んでしまうことがあります。

今回のテーマは釣り針です。

釣り針は金属なので、誤飲したかどうかはレントゲン検査で明らかにわかります。

サンタVDブログ

サンタlateブログ

問題点は釣り針が食道や胃に刺さってしまうことがあり、また釣り針には「かえし」があるので、針が刺さると簡単に抜けないことです。

なので、犬や猫が釣り針を飲み込んだ場合、除去が難しいことがあります!!

内視鏡で摘出できることもありますが、手術が必要になるケースもあります。特に食道や胃を突き破って刺さっている場合は内視鏡下での摘出は困難になります。

釣り針の誤飲は一般的に拾い食いでおこるため、日頃の散歩から拾い食いをしなようにしつけをしましょう☆

 釣り針 針

ちなみにレントゲンのワンちゃんは胃から突き破って刺さっていたので、緊急手術となりました。。。術後は元気になりましたよ!

2018.10.22

ネブライザー療法

福岡県西区・糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマはネブライザー療法です。

ネブライザー療法は咳や鼻汁が出る子におこなわれる治療法です。

薬液を細かい霧状にして、口や鼻から吸入する治療をネブライザー療法といいます。

霧状(エアロゾル)にした薬液が鼻腔、副鼻腔、のど、気管、気管支や肺胞までとどきます。

なので、鼻炎、上部気道炎、喘息、気管支肺炎などの治療に効果があります!

ヒトでもおこなわれている治療法です!

長所:

①即効性がある

②基礎疾患(たとえば、糖尿病や腎不全など)があっても治療可能

③抗菌薬を安全に投与できる

④慢性呼吸器疾患にも有効

短所:

動物は自分で霧状にした薬液を吸ってくれないので、密閉した部屋(下の写真)にお薬を充満させて、その中に入ってもらいます。

ネブライザー

時間は20〜25分くらいです。

密閉した部屋だから恐いかもしれないけど・・・少しの時間だから、我慢してね☆

2018.09.12

凍結外科

福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは凍結外科です。

 

凍結外科とは、瞬間凍結して細胞を破壊し、標的とする小さな腫瘤(できもの:イボなど)を自然脱落させて、小さくさせる方法です。

この方法は安全でかつ短時間でおこなうことができて、麻酔の必要性がないため、心臓の弱い子や高齢の動物も適応する事が出来ます!

17歳のトイ・プードルで足の裏にできものができ、そこから汁が出て本人が気にして舐めているということで来院しました。

全身麻酔をかけることができませんでしたので、凍結外科をおこないました。

治療前(矢印のところ)

凍結外科 治療前2

 

3回凍結外科をおこない、治療後はできものが消失しました!

凍結外科 治療後

当院では手軽に凍結外科ができるように開発された医療機器のクリオアルファを用いておこなっています。

凍結外科

平均的な治療回数は、3回くらいになります。

ただし、大きな腫瘤(できもの)や発生部位によってはできません。

まずは、治療対象かどうかの判断が必要になりますので、お気軽にご相談ください!

2018.08.03

輸血

福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは輸血です。

 

犬や猫の動物においても輸血はおこなわれます。

大量出血、貧血、血液凝固異常(血が止まらない病気)などの病気に必要になります。

輸血は病気を根本的に治すわけではありませんが、

生命の危機にさらされる状況ですので、輸血はとても必要な治療法です。

 

ただし、ヒトの医療と大きな違いは、日本では動物の血液バンクが存在しないことです!

したがって、輸血をおこなう場合はその動物病院自身で血液を確保しなければならないのです。

 

幸い、当院では協力していただける大型犬やブリーダーさんがいらっしゃいますのでとても助かっています!!!

 

でも、ご協力いただける大型犬(供血犬)がもっと増えるととても心強いです!!!

 

輸血で救える命がありますので、是非ご協力をお願いします☆

協力したい方は当院スタッフに声をおかけてください。

 

ちなみに小型犬は身体が小さいので、供血犬には、なれませんが、

「動物の血液バンクがないこと」を多くの人に伝えることが協力の一つとなりますm(_ _)m

よろしくお願いします☆

 

2018.06.12

特発性てんかん

福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは特発性てんかんです。

特発性てんかんとは原因不明で発作が起きる疾患です。

犬で最も多くみられる発作の原因です。

特発性てんかんは神経学的検査、血液検査やMRI検査をしても異常がみとめられません。

加えて、発作が起きていないときは普通に生活しています。

なので、発作を起こして、初めてわかる疾患です。

 

犬では発生率は約1%といわれており、とても多いのです。

(猫は少ないと考えられています。)

 

通常、発作は数秒から2分以内で落ち着きます。

発作はさまざまな発作症状がありますので、何分起きたのか?どのような発作だったのか?がとても重要な情報となります。

できれば、携帯電話でもいいので動画(ビデオ)を撮影してもらうと助かります!!!

 

発作のときの注意点は動物の口の近くに自分の手を近づけないことです!!!

本人は意識がないので、咬んだら離しません!

 

特発性てんかんはコントロールがうまくできれば、寿命は健康な子と変わりません。

飼い主さんの観察が診断や治療方針のカギになります。

発作の頻度や様子を日記につけるといいと思います!!

2018.05.12

子宮蓄膿症(犬)

福岡県西区・糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは子宮蓄膿症です。

子宮蓄膿症とは子宮の中に細菌が増殖し膿が貯まる病気です。

なので、避妊手術をしていないメス♀に起こります。

症状は多飲多尿、食欲不振、嘔吐や下痢などさまざまで、陰部から膿が出ているとすぐにわかりますが、膿が出ないケースもあります閉鎖性子宮蓄膿症)。

しかし、腹部エコー検査により子宮内に濁った液体を確認することでわかります!

子宮蓄膿症

ただし、子宮の大きさと症状は関連しないので、子宮が小さいからといって油断できません!!!

治療は基本的に手術で卵巣子宮全摘出術が必要になります。

子宮蓄膿症は合併症がとても多い病気なので、緊急疾患と考えています!

特に閉塞性子宮蓄膿症は致命的な状態になることがあるので、たとえ元気そうにみえても治療が遅れてはいけません!!!

 

早期発見は「いつもと違う」と気づくことがポイントです!

日頃からよく見てあげてくださいね☆

2018.04.06

でべそ(臍ヘルニア)

福岡市西区・糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマはでべそ(臍ヘルニア)です。

でべそとはおへそが飛び出した状態で、臍(さい)ヘルニアと言います。

おへその下の筋肉が完全に閉じてない状態です。

でべそ

腹壁にあいた穴からお腹の中の臓器が脱出して戻らなくなることを嵌頓(かんとん)ヘルニアと言います。

特に腸管が飛び出して嵌頓ヘルニアになると腸閉塞になるので、命に関わる恐い病態です。

嵌頓ヘルニアecho

超音波検査により確認できます!

この場合は緊急手術が必要です!!!

でべそが急に大きくなったり、痛がったりしたときは病院へ。

「おへそ」もたまには観察してくださいね☆

2018.03.03

唾液瘤(唾液腺嚢胞)

福岡県西区・糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは唾液瘤(唾液腺嚢胞)です。

唾液瘤とは唾液腺やその導管が傷害を受け、唾液が漏れて周囲組織へ貯留したものです。

ほとんどが痛みはなく、波動性があります(ポヨポヨしています)。

唾液瘤1

*写真は頚部唾液瘤です。

原因が唾液腺やその導管の傷害による唾液の漏れなので、針で抜いても再発しやすいです。

なので、唾液腺摘出手術が必要になることが多いです。

でも、唾液腺を摘出して大丈夫?

唾液腺は数多くありますので、いくつ切除しても全く唾液分泌には影響がありませんので、安心してくだい!!!

放っておくと、どんどん大きくなり、手術しても治りが悪くなるので、早めの治療をおすすめします!