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ブログ

2023.10.01

ジョイントマット 誤食

糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです。

今回のテーマはジョイントマット:誤食です。

動物はときに信じられないものを食べてしまいます。

ジョイントマットは安価で、簡単に設置が可能で、また、汚れた部分だけ外すこともでき、お手入れも簡単なので、ペットがいる家庭ではよく使われるアイテムです。

でも、そのジョイントマットを食べてしまうことがあります。

以前にもこのブログで、猫さんが食べて腸閉塞を引き起こしたことを紹介しました。

今回は体重が0.86kgの生後2ヶ月のトイ・プードルくんが昨日から食欲がなくなって吐いているということで来院しました。

レントゲン検査では胃の中に黒い物体が確認されました。

このジョイントマットはスポンジみたいな素材で、中に空気が入っているので、レントゲンでは黒く写ります。

 

やっぱり、ジョイントマットは誤食が多いので、気をつけた方が良さそうですね!

 

次回はこの体重が1kgもないプードルくんから、どうやって胃の中のジョイントマットを取り出したかを紹介しようと思います!

2023.07.10

舌の線維性ポリープ(犬)

糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは舌の線維性ポリープ(犬)」です。

犬において舌に腫瘍ができることがあります。。。

日頃から観察するところではないので、発見が遅れることが多いと思います。

12歳齢のシーズーちゃんが健康診断で来院しました。

口の中を見てみると舌に腫瘤が認められました。

摘出したところ、線維性ポリープでした。

線維性ポリープは歯石や噛み合わせなど、慢性的な刺激によって発生する良性の病変です。

したがって、摘出すれば予後は良好です!

しかし、再び慢性的な刺激が起きれば、新しい病変ができるかもしれません!

お口の中のケアが必要ですね。

難しいかもしれませんが、たまには舌も観察してください☆

2023.05.04

特発性三叉神経麻痺(犬)

特発性三叉神経麻痺

 

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは特発性三叉神経麻痺(犬)」です。

 

原因は不明ですが、急に口を閉じられなくなってしまう疾患です。

なので、水を上手に飲めなくなります。

アゴが閉まらないので、お水の器に大量のヨダレが貯まっていたりもします。

よく観察すると常に口が開いたままになっています!

下顎の下垂

急にアゴが開いたままになってしまい、ビックリするかもしれませんが、

落ち着いてアゴを動かしてみて、ちゃんと動くかどうか?痛みはないのか?

確認してみてくださいね。

この疾患では痛みはありません!

特発性三叉神経麻痺では舌を動かすことは可能なので、補助的に食餌やお水を与えることで

予後は良好です。

 

多くは約3週間で自然回復します。しっかりサポートしてあげましょう☆

2023.03.02

外傷性気胸

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは外傷性気胸です。

外傷性気胸とは外傷によって胸腔内に空気が入った状態です。

胸壁と肺の間に空気が貯まってしまうので肺が膨らみづらくなり、呼吸が苦しくなります。

外傷性気胸には開放性気胸と閉塞性気胸があります。

開放性気胸は胸に穴があいてしまって、外から空気が入ってしまう状態です。

閉塞性気胸は肺や気管などに穴があいて、空気が胸腔に漏れてしまう状態です。

外傷性気胸の多くは交通事故で、ほとんどが閉塞性気胸といわれています。

交通事故で緊急に運ばれた雑種犬くんです。

大きな傷はなかったですが、元気はなく呼吸が苦しそうでした。

胸部レントゲン検査をおこなったところ、

気胸が認められました。

緊急的に胸腔に針を刺して(胸腔穿刺)により胸腔内の空気を抜きました。

何度か胸腔穿刺をおこない、第5病日には気胸は改善しました。

肺の損傷部位が修復されるまでの期間は通常3~5日といわれています。

外傷性気胸は適切なモニターおよび処置がおこなえば、一般的に予後良好です。

交通事故で大きな傷がなくても、内臓に異常を起こしている可能性がありますので、

当たり前ですが、急いで受診しましょう!

ヒトも、動物も、交通事故がない世界になってほしいですね。。。

2023.01.13

パイナップル 腸閉塞(犬)

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマはパイナップルによる腸閉塞(犬)」です。

パイナップルは美味しいです♬

すご〜く甘い缶詰のパイナップルは子供のころ、ご馳走でした (^0^;)

たまに食べたくなりますよね。

さて、犬がパイナップルを食べても大丈夫でしょうか?

答えは栄養学的には何も問題ありません。

しかし、やはり不溶性線維が多すぎますので、消化ができません。

 

トイ・プードルくんが何度も吐いて、元気がなく食欲もないということで来院しました。

腹部超音波検査をおこなったところ、

小腸に異物が認められ、腸閉塞が確認されました。

緊急手術をおこない、取り出したものはパイナップルでした。

犬はパイナップルに多く含まれる不溶性繊維を消化できません。

ワンちゃんは、意外と噛まずに飲み込んでいますよね〜!

したがって、パイナップルを与えるときは小さく切ってからあげるようにしましょうね。

2022.11.16

若年性蜂窩織炎

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは若年性蜂窩織炎(犬)」です。

若年性蜂窩織炎は別名:若年性膿皮症とも呼ばれています。他にも若年性蜂巣炎、若年性フレグモーネ、仔犬の腺疫などといわれています。

名前の通り、若齢で発症し、典型的は3週齢から4ヶ月齢の子犬にみられます。

残念ですが、原因はわかっていません。

症状は急激な顔の腫脹が起き、特に鼻口部、口唇、眼瞼に認められます。

かわいい子犬の顔に・・・

他には下顎リンパ節の腫脹や耳の浮腫を伴う化膿性外耳炎があります。

50%の症例で発熱、食欲不振、関節痛などもあります。

治療は抗菌剤では改善することがほとんどなく、ステロイドが必要になります。

予後は良好ですが、重症例では湿疹の跡が残ることがあります。

子犬で急に顔に湿疹が出来たときは、早めに動物病院に連れていきましょう☆

2022.09.09

陰嚢ヘルニア(犬)

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは陰嚢ヘルニア(犬)」です。

陰嚢ヘルニアは男の子の病気で、犬においては稀です。

ヘルニアとは、身体の中の一部が本来ある位置からはみ出してしまう状態のことで、

陰嚢とは精巣を包む袋状のものです。

陰嚢ヘルニアとは、お腹の中のもの(腸や脂肪など)が陰嚢の中に入り込む疾患です。

通常は片側だけに起きて、一般的にお腹の臓器や脂肪がヘルニアの中に入り込むとしめつけられ、圧迫されます。なので、痛みが出るので元気がなくなることがあります。

 

1歳のヨーキーくんです。睾丸が大きくなって、元気がないということで来院しました。

身体検査をしたところ、左側の陰嚢部が明らかに大きくなっていました。

超音波検査によって陰嚢内に液体と正常な精巣(矢印)を確認し、

また頭側に腹腔内脂肪(矢印)が入り込んでいることを確認し、陰嚢ヘルニアとわかりました。

外科的整復術をおこない、無事に元気になりました。

 

たまには睾丸も見たり、触ったりしてあげてくださいね☆

正常がわかっていないと異常に気づきませんよ!

2022.08.05

学研の図鑑 危険生物

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回は番外編です。

「学研さんの図鑑:危険生物」写真提供させていただきました。

2年前にこのブログで紹介した「鼻蛭:ハナビル」の写真です。

図鑑に自分が撮った写真が載るのは嬉しいですね!

学研さんありがとうございました!

また、この危険生物図鑑はやっぱり勉強になりますし、僕にとっては生物の本なので、癒やしにもなっています♬

是非!みなさん読んでみてください!

応急処置のことも書いてありましたよ☆

2022.06.18

尿道内異物(芒)

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは尿道内異物芒:ノギ)」です。

1歳齢のシーズーくんが昨日から血尿が出ているということで来院しました。

腹部エコー検査をおこなったところ、膀胱や腎臓は特に異常がありませんでした。

ペニスを見てみると、尿道出口に黒い物体が・・・

鉗子を用いて、そっと掴んで引っ張ると

芒が出てきました!

以前にも紹介しましたが、芒は皮膚から入り込んだり、今回のように尿道内入ったり、まれではありますが、恐いですね。。。

草むらの中に入り込んで、遊ぶのは避けた方が良さそうですね。

2022.05.13

スーパーボール 誤飲

福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは誤飲スーパーボール(犬)」です。

動物はときに信じられないものを食べてしまいます。

スーパーボールといえば、夏祭りの出店のスーパーボールすくいを思い出します。

すくって取れたときは体も心も飛び跳ねますよね!

しかし、スーパーボールを飲み込んでしまうと危険で、腸閉塞を起こすこともあります。

なので、飲み込んでしまったときは、動物病院に相談しましょう。

約3cmのスーパーボールで遊んでいて、飲み込んでしまったイタリアン・グレーハウンドくんが来院しました。

催吐処置をしましたが、スーパーボールを吐き出すことができず、内視鏡下摘出を実施しました。

バスケット型把持鉗子を用いて摘出しました。

胃内のスーパーボールを掴んでいる内視鏡画像です。

摘出したスーパーボールです。

実はスーパーボールやビー玉のような球形の異物は、内視鏡下での摘出するときに転がったり、滑ったりするので難しいのです!!

こういうときは、ちょっとコツがありますが、バスケット型把持鉗子が役に立ちます!

バスケット型把持鉗子の写真です。

しかし、注意点としてバスケット型把持鉗子は3.5cmまでしか開きませんので、3.5cm以上の球形のものはつかめません。。。

したがって、異物をたべてしまったときは、どのくらいの大きさなのか、またどのような形か、などを教えてください!

もし、食べたものと同じモノがあれば、持ってきてください!

摘出の仕方のヒントになりますので、持ってきてもらうと助かります☆